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防災マスクで意識新た 新得トムラウシ地区

ガスマスクの装着を試す住民

 【新得】十勝岳(2077メートル)の東部直下にあるトムラウシ地区の住民に対する町の防災研修会が18日、山の交流館とむらで開かれた。同地区に初めて配備された火山対策用防災マスクの取り扱い方法が説明され、住民たちは自ら装着するなど防災意識を高めていた。

 活火山の十勝岳は現在、噴火警戒レベル1(平常)にあるが、札幌管区気象台は長期的には火山活動は高まる傾向にあるとして注意を呼び掛けている。

 1962(昭和37)年6月29日の噴火では、同地区は火山灰と亜硫酸ガスに襲われた。人畜や畑作物に甚大な被害がもたらされ、同地区などから78世帯1017人が屈足地区に避難し、約1カ月半におよぶ避難生活を強いられた。

 また、同地区は新得市街地から約40キロ、屈足市街地からも約30キロ離れており、噴火だけでなく雪害、風水害などの災害時にも孤立する恐れもある。

 町は昨年度から今年度にかけて指定避難所の富村牛小中学校に食料・飲料水50人分を3日分、毛布50枚、ストーブ、発電機、ガソリン缶詰などを備蓄しており、さらに、火山対策用防災マスク100個、火山ガス測定器を配備した。

 この日の説明会には住民45世帯92人のうち、22人が出席。町の防災担当者が備蓄品の在庫状況を紹介した。続いて防災マスクの製造メーカー重松製作所北海道営業所(札幌)の淺田圭佑さん(幕別町出身)が取り扱い方法を説明。住民たちもそれぞれ装着を試した。普段、牧草作業で防塵マスクを使用している関谷達司さんは「密着感や機密性が高い」と感心していた。

 出席者からは「大人用しかなく、子供や乳幼児向けのマスクも配備してほしい」「非常食などの賞味期限をチェックをしっかりと行って」などの声が出された。トムラウシ町内会の国定宏至会長は「最近の全国で見られる自然災害を通して住民の防災に対する関心は高まっている。地域としてまとまって助け合える態勢づくりに向けて協議していきたい」としている。(大野篤志)

関連写真

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