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トムラウシ住民に火山対策マスク配備へ 新得

トムラウシの45世帯に配備される火山対策マスク

 【新得】活火山の十勝岳(2077メートル)を抱える町は、十勝岳東部直下にあるトムラウシ地区の住民45世帯92人に火山対策用防災マスクを配布するほか、指定避難所にガス測定器や発電機、サークルライトなどを配備する。

 十勝岳は新得と上川管内の美瑛、上富良野の3町にまたがっている。昨年12月、気象庁は火山活動が強まっているとして、噴火警戒レベルを1(平常)から2(火口周辺規制)に引き上げた。町は、道道忠別清水線(718号)の曙橋付近の登山口へつながる林道入り口に注意看板を設置するなどの対応を取った。

 今年2月にレベル1に引き下げられたが、札幌管区気象台は14日、規模の小さな火山性地震が増加していると発表。警戒レベルは1のままだが、ここ数年、大正火口の噴煙量や地震の増加、火山性微動の発生、発光現象などが観測されており、長期的にみると火山活動は高まる傾向にあるとし、引き続き注意を呼び掛けている。

 1962(昭和37)年6月29日の噴火では、トムラウシ地区は火山灰と亜硫酸ガスに襲われ、人畜や畑作物に甚大な被害がもたらされた。町史によると同地区などから78世帯1017人が屈足地区に避難し、約1カ月半におよぶ避難生活を強いられた。

 トムラウシ地区は、新得市街地から約40キロ、屈足市街地からも約30キロ離れており、噴火ばかりでなく雪害、風水害などの災害時には孤立化する恐れもあることから、町では昨年度、指定避難所の富村牛小中学校に食料・飲料水50人×3日分、毛布50枚、ストーブ3基を配備。

 今年度は、防灰フィルターや亜硫酸ガス、硫化水素対応の吸収缶の付いた防災マスクを100個導入。さらに火山ガス測定器1基、発電機、蛍光灯10本が点灯できるサークルライト、ガソリン缶12個(12リットル)も購入した。

 防災マスクは14日、町に納品された。町は「今月中に地域に配備したい。また、住民向けに火山情報や防災に向けた説明会も開催したい」(防災係)としてる。(大野篤志)

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