浦幌川で小学生がカイギュウの骨の化石を発見 浦幌
【浦幌】上浦幌中央小学校5年生の笹島涼華(すずか)さん(11)が昨年夏、町貴老路にある自宅近くを流れる浦幌川で、動物の骨の一部とみられる化石を発見し、その後の専門家による鑑定で、化石は数百万年前の海生哺乳動物「カイギュウ」の一種とみられることが分かった。町内で同化石の発見は初で、十勝では幕別、豊頃、本別に続いて4例目となる。
笹島さんは、7日に町教育文化センターで開かれたうらほろスタイルゼミナール「大地が語る十勝浦幌の自然史」に両親と参加。この際、化石を持参して講師の木村方一さん(北海道教育大学名誉教授)に見せていた。木村さんは「骨の組織が緻密で重たいことと、発見場所などから考え合わせると、『タキカワカイギュウ』の肋骨(ろっこつ)の一部だと思われる」と話している。
この化石の発見場所付近には本別層(500万~300万年前=鮮新世前期)があり、約500万年前に絶滅したとされる「タカハシホタテ」の化石なども見つかっている。今回発見された化石は最大径、長さとも約7センチの大きさ。
発見した笹島さんは小学3年生から化石に興味を持ち、父親の秀昭さん(57)によると、「川に遊びに行くたびに石を拾って来る」という。笹島さんは「ただの石かと思っていたが、カイギュウと聞いてすごく驚いた」と話していた。
木村さんは「カイギュウの化石を見るとは思わなかった。子供の探究心は素晴らしい」とし、雪解け後にも現地調査をする予定という。(円子紳一通信員)
<タキカワカイギュウ>
約500万年前に生息したジュゴンの仲間の海生哺乳動物。1980年に滝川市の空知川で最初に化石が発見され、新種と分かった。歯を持たず軟らかな海藻を食べていたとされる。
約500万年前に生息したジュゴンの仲間の海生哺乳動物。1980年に滝川市の空知川で最初に化石が発見され、新種と分かった。歯を持たず軟らかな海藻を食べていたとされる。
◆タキカワカイギュウについて
・タキカワカイギュウとは-滝川市公式ホームページ
・ドラゴンとアンモナイト-北海道人(2004年3月 第16号)