標高95メートル市街地を一望 帯広の森に築山
帯広市が帯広の森内の西21南6で造成を進める、築山(つきやま)が姿を現した。建設残土を活用して高さ17メートルの山を築き、頂上の標高は95メートルに達する。同森を見下ろし、市街地を一望しながら緑の広がりを実感できる。造成から40年が経過した同森の利活用に向けた象徴として、2017年度の全面供用開始を予定している。
築山は人工的に築いた山で、観賞や遊具などの用途がある。1975年に造成を開始した帯広の森は本格的な利活用段階に入ったことから、市は不特定多数の人に親しんでもらおうと同森の市民農園サラダ館東側に築山を計画。2011年度に工事が始まり、市や道開発局の公共工事で発生した8万立方メートルの土を活用した。
築山本体の造成工事は10月末で完了し、高さ17メートルの雄大な姿を見せている。だ円形で、基底部の直径は最大で東西110メートル、南北140メートル。急斜面と緩やかな勾配を組み合わせ、芝生の上で多様な遊びができるようにしている。15年度は頂上の展望広場を整備、ベンチを置く他、昼夜で異なる表情を演出できるよう、頂上に続く階段に照明を設置する。築山本体の総事業費は1億400万円を見込んでいる。
同森は面積406・5ヘクタール、延長11キロの規模。標高95メートルの築山の頂上からは、同森を中心に十勝川-札内川間の市街地を包み込む緑の様子や日高山脈を眺めることができる。
築山周辺には15、16年度で駐車場やトイレ、園路を整備。エゾヤマザクラなど樹木480本を植え、将来は花見や焼き肉なども楽しめるようになる。市は「観光分野とも連携し、帯広の森に人を呼び込みたい」(みどりの課)としている。
築山は当初、帯広の森100年計画にちなみ標高100メートルを目指していた。しかし、陸上自衛隊帯広駐屯地の十勝飛行場が同森に隣接し、航空法に抵触するとして同95メートルに変更した。
(池谷智仁)