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熱帯熱マラリア原虫の増殖抑制物質を作製 帯畜大

新薬開発につながる成果を上げた加藤特任准教授

 帯広畜産大学(長澤秀行学長)原虫病研究センターの加藤健太郎特任准教授(39)らの研究グループは、熱帯地方を中心に多くの死者が発生している熱帯熱マラリアについて、病気を引き起こす原虫の増殖を抑制する物質を新たに作製した。毒性などの副作用が小さく、実用性が高いとされ、新たな治療薬の開発に期待が高まっている。

 一般的にマラリアは4種類に分類される。中でも熱帯熱マラリアは最も症状が重く、感染すると高熱が続き、意識障害となり、死亡するリスクが高い。これまでに予防、治療薬は多数開発されているが、薬剤耐性を持つ原虫も出現し、さらなる薬剤の開発が求められている。

 東大農学部との共同による同研究グループは、約2年間の研究期間を経て、糖類の一種で食品添加物などに使われる「ジェランガム」を基に、「硫酸化ジェラン」と呼ばれる物質を作製した。

 実験では原虫の増殖数の変化を比較するため、「硫酸化ジェラン」など数種類の糖類を別々に投与したものと、投与しない場合に分けて培養した。その結果、何も投与しなかった原虫の数が2日間で約5倍に増加したのに対し、「硫酸化ジェラン」を投与したものは約9割の増殖を抑えることが判明した。また、他の物質に比べ、血を固まりにくくする性質や毒性が低いことも分かり、実用性の高さを示した。

 加藤特任准教授は「今後は製薬会社などと共同で臨床実験を重ね、実用化につながげていければ」と話している。(高津祐也)

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