チョウザメ養殖開始 鹿追町
【鹿追】町環境保全センターバイオガスプラント(中鹿追)の余剰熱を利用して町が取り組むチョウザメ養殖事業は、23日正午すぎに茨城県から約36時間かけてフェリーと陸送で289匹の魚が初めて到着し、プラントに隣接する研究棟の水槽に移された。
専用の輸送車両から職員が数匹ずつ手作業で長旅を終えたチョウザメを水槽に移した。見学者のため水槽の側面に設けられた透明アクリル板の窓からは、底の近くをゆったりと泳ぐ姿が見られた。
ふ化・飼育技術を持つフジキン筑波研究工場から導入したのは当歳魚100匹、1年魚109匹、3年魚80匹。10基ある水槽のうち6基に移された。当歳から2年魚までは成長を早めるため15~20度の高い水温で飼育する。井戸水を温めるためにプラント廃熱を利用する。
当面は町が直営で飼育管理を行う計画で、専従職員が餌やりや水温管理、成育管理などを行う。町内には商工会が中心となった民間研究会も立ち上がっており、将来的には民間委託を視野に入れている。
「今夏にはさらに当歳魚100匹を導入予定。今冬には4年魚となる最初のグループの雌雄判別が可能となり、雄は食用となる」と町商工観光課。雌は引き続き飼育され、8歳魚となる4年後にキャビアが採取できる見込みだ。
(古川雄介)