長崎屋帯広店、直営部分の営業終える
総合スーパーの長崎屋帯広店が7月31日午後9時、直営部門の営業を終えた。閉店セレモニーでは谷口修店長が最後を見守る客に、帯広で半世紀、現店舗で30年余りの愛顧に感謝の言葉を述べた。1日から施設名は「帯広駅南ビル」に変わり、フクハラなど約30のテナントの多くは当面営業を継続するが、来年3月末には全館閉館する予定。
31日は午前10時のオープンから別れを惜しむ客でにぎわった。「閉店セール期間を通じ、客足も売り上げも通常時の4倍ほど」と谷口店長。セール開始当初、衣料品や日用品がぎっしりと陳列されていた棚も多くが空となり撤去されていた。残る商品はフロアの中心スペースに集められ、来店客は掘り出し物を探して最後まで店内を回った。
午後9時からは2階センターホールで閉店セレモニーが開かれ、80人ほどの客がホールや3~5階の吹き抜け部分で見守った。谷口店長は従業員と共にステージに立ち、「閉店セール期間中、昔を懐かしんで店内を回る客など大勢の人が来てくれた。この店がこの地で愛されているのだと感じた」と感謝を述べると、見守った客の拍手が響いた。
数年前まで帯広市内に住んでいた坂元瑠美さん(45)は札幌市から駆け付けた。「閉店はとてもショック。長男が来たいと言ったので、セレモニーを見に来た。おもちゃコーナーによく行った」と振り返る。長男の賢祐さん(17)は「小学生の頃遊びに来ていたので寂しい」と話す。同店の従業員らは、「今後はゆっくり過ごしたい」「やっぱり寂しい気持ちはある」とそれぞれに語った。
同店によると、従業員はパート・アルバイト含めて約60人。半数ほどが長崎屋と同じPPIH(東京)が運営するMEGAドン・キホーテ西帯広店へ移る。今後1カ月ほどかけて直営売り場の片付けなど残務整理を行い、残った商品は同西帯広店へ移動させる予定。(吉原慧、児玉未知佳)
長崎屋帯広店、直営部分の営業終える
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