管内暴風 広尾29・5メートル 視界不良、多重事故も
上士幌4月最大22.4メートル、帯広21.2メートル
前線を伴う低気圧が急速に発達しながらオホーツク海に進む影響で、十勝地方は27日、風が強い状態となり、上士幌では4月としては観測史上最大となる最大瞬間風速22・4メートルを観測した。管内では同日午前、強風の影響とみられる停電や砂嵐による交通事故なども起きた。帯広測候所によると、強い風のピークは27日午後までで、28日まではやや強い風が吹き続ける見通し。
帯広測候所によると、十勝地方はほぼ全域で10メートル以上の最大瞬間風速を観測。十勝南部には暴風警報も発令されるなど、管内は強い風が断続的に吹き続けた。
管内で観測された最大瞬間風速は、広尾29・5メートル、中札内村上札内26・9メートル、大樹25・4メートル、上士幌22・4メートル、音更町駒場21・9メートル、帯広21・2メートル、更別21・0メートル、鹿追20・6メートルなど。
広尾町では豊似地区など約740戸で停電となったが、27日午後0時15分までに、すべて解消された。帯広市内でも強風が畑の土を巻き上げて広範囲に砂嵐が発生した。幸福町の道道新帯広空港線では同日午前10時ごろ、視界不良が原因とみられる乗用車やトラックなど6台による多重衝突事故も起きた。2人がけがを負ったが、いずれも軽傷。西3南8の道道では、街路樹が倒れて歩道をふさいだが、いずれもけが人などはいない模様。
このほか、広尾町では市街地でサクラの木が倒れ、役場職員が対応した。住宅や物置の「屋根が飛びそう」という通報が午前中に3件あり、消防署が飛散防止措置を講じた。いずれもけが人はいなかった。
士幌町でも「屋根が飛びそう」という通報があり、消防署員が出動した。けが人はいない。
幕別町では観光庭園「十勝ヒルズ」が強風のため27日を臨時休園とした。
浦幌町や大樹町で野火が発生。けが人はいない。
帯広測候所によると、警報クラスの強い風は27日夕までには収まる見通しで、28日はやや強い風が吹き続ける予報。予想される波の高さは3メートル。
帯広空港線で多重衝突事故