お巡りさんが手作りマスク配布 豊似駐在所 小1・高浪さん お礼の手紙
【広尾】広尾署(三浦幸生署長)豊似駐在所の明先(みょうせん)伸太巡査長(39)と妻亜矢香さん(37)が3月中旬から、手作りマスクを近隣住民に配布し、新型コロナウイルスの感染予防を呼び掛けている。同駐在所には児童からお礼の手紙が届くなど、終息の見通しが立たない状況の中で心温まる交流が生まれている。
「あやちゃんとしんちゃんへ ますく がっこうにつけていくね ありがとう ゆなより」
同駐在所に届いた愛らしい手紙の送り主は、近所に住む高浪結菜さん(6)=豊似小1年。亜矢香さんが作った布製マスクをもらい、「かわいいのでうれしかった」と手紙に思いを込めた。小学校は入学後間もなく休校となったが、亜矢香さんとは交換日記をするほど仲良くなった。
亜矢香さんは「近くに店がなく、地元の高齢者の方でマスクをしていない人が多かった」と3月中旬から毎日マスクを手作りし、それを明先巡査長が各戸を巡回して配布。緊急事態宣言が発令されるまでの1カ月間ほどで約50枚のマスクを渡し、マスク販売詐欺への注意も呼び掛けた。
高浪さんは4月初め、顔見知りだった明先さん夫妻に「私もちょうだい」とお願いし、亜矢香さんが子ども用に華やかな柄のマスクをプレゼントした。結菜さんの母香さん(38)は「マスクをいただき、すごく助かった。マスクの作り方も教えてもらった」と感謝する。
明先さん夫妻は2017年4月に同駐在所に赴任し、3年が経過。豊似地区の住民から親しまれている。明先巡査長は「結菜ちゃんからの手紙はとても励みになった」と喜び、亜矢香さんは「マスクは今後も作り続け、緊急事態宣言が解除されてから配布を再開したい」と話している。(松村智裕)