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飼料用とうもろこしも土壌診断をして施肥設計しよう!

十勝地域農業技術支援会議(畜産試験場・十勝農業改良普及センター)

1.試験のねらい
 平成29年普及推進事項として「土壌診断による飼料用とうもろこしの窒素施肥対応」が示され、収量水準と土壌肥沃度に対応した窒素施肥量が制定された。十勝地域の飼料用とうもろこし栽培において、収量水準と土壌肥沃度に応じた窒素施肥対応を実証展示し地域への技術導入を促進する。

2.試験の方法
(1)飼料用とうもろこしにおける施肥設計の実証
 十勝管内7ほ場(帯広市、上士幌町、浦幌町、鹿追町、清水町、本別町、幕別町忠類)において慣行栽培区と施肥設計区を設け比較し、「土壌診断による飼料用とうもろこしの窒素施肥対応」を実証展示した。

3.成果の概要
(1)十勝管内7ほ場において実証試験を実施した(表1)。施肥設計区は農家慣行肥料銘柄の増減により、「土壌診断による飼料用とうもろこしの窒素施肥対応」から計算される必要窒素量に合わせた。帯広、上士幌、浦幌は慣行栽培の窒素量と必要な窒素量の差が1~2kg/10aと小さく、慣行栽培において概ね新しい施肥設計と同水準であった。鹿追、清水は有機物施用量が多く、追加の肥料は必要無い計算となったため、スターターとして窒素4kg/10aとなるように施肥設計区を設定した。本別は慣行区の施肥量が必要な窒素量に対して過剰であったため、基肥量を70kg/10aから35kg/10aへ半減した。忠類は窒素施肥が3kg/10a不足していたため、尿素の分施により慣行区に対して窒素を3kg/10a増肥した。各ほ場の処理は概ね2ヶ年共通していた。
(2)有機物多量施用のほ場では有機物由来の施肥で必要量を超えており、スターターの窒素4kg/10aの施肥で収量が確保されることを確認した(図1)。
(3)施肥設計することで過剰な施肥と計算された場合、肥料を削減しても収量が確保されることを確認した(図2)。
(4)施肥設計により不足すると計算された窒素分を分施により増肥することで、収量が増加することを確認した(図3)。
(5)今回実証試験に協力いただいた7農場の内4農場で今後「土壌診断による飼料用とうもろこしの窒素施肥対応」を利用したいとの意向を、その他3農場は完全な実施は難しいが設計値に近づくよう増減していきたいとの意向を確認した。

4.留意点
1)十勝地域農業技術支援会議を通じて、関係機関に周知するとともに、各種の広報機会において、農業者等に広く流布する。
2)土壌分析値は通常3~4年程度継続利用することが可能である。


詳しい内容については、次にお問い合わせ下さい。
道総研畜産試験場 家畜研究部 技術支援グループ 渡部  敢
電話(0156)64-0626 FAX(0156)64-6151
E-mail watanobe-kan@hro.or.jp

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