市町村対応追われる 市本庁舎、非常電源で業務
十勝管内の自治体は地震発生直後から、被害状況の確認や住民からの問い合わせの対応に追われた。十勝総合振興局は午前3時9分に災害対策本部を設置し、情報収集に当たっている。
帯広市では職員参集の基準となる震度4を記録し、午前4時前から次々に職員が出勤。住民からの問い合わせの電話がひっきりなしで、多くは停電の復旧見通しを聞くもの。職員の一人は「こっちが知りたいくらいで、答えようがない」と困惑していた。午前9時現在、市内で避難所の開設はなかったが、大空小に母子1組が一時的に自主避難した。
本庁舎では非常用電源から延長コードを引き、各課の端末など必要最小限の機器の電力を確保して通常通り業務を行った。ただ、支所やコミセンなど電源がない施設では証明書発行業務ができなかった。
町村では芽室町が災害連絡本部を設置、その他の自治体も防災担当職員を中心に情報収集や対応に当たった。停電の長期化に備える動きもあり、池田町では6日午後1時時点で電力が復旧しないか、見通しが立たない場合、町内2カ所に避難所を開設する。
本州からも電力を融通
【時事】世耕弘成経済産業相は6日昼、経産省で記者団の取材に応じ、北海道地震の影響で道内全域が停電となっていることについて、「北海道全域が完全に復旧するには1週間以上かかる見通しだ」と説明した。
北海道の大規模停電は、震源地の近くに立地する北海道電力最大の苫東厚真火力発電所(厚真町)の稼働が停止したことで電力の需給バランスが崩れ、道内全域の火力発電停止につながったことが原因。経産相は、苫東厚真火力のタービンやボイラー設備が損傷し、復旧に1週間以上かかるとの見通しを示した。
北海道電は苫東厚真以外の火力発電や水力発電を再稼働するほか、本州の大手電力から電力融通を受け、7日中に約290万キロワットの供給力確保を目指す。ただ、経産相は昨日の道内全域のピーク電力需要(380万キロワット)に足りないと指摘し、対応が必要だと強調した。
経産省は、病院など重要施設に電源車を派遣して電力を供給するよう北海道電に指示するとともに、東北電力などに北海道電への電源車派遣を要請。業界団体の電気事業連合会にも北海道電への支援を求めた。【時事】
▽震度6強=胆振管内安平町
▽震度6弱=千歳市
▽震度5強=札幌市、苫小牧市
▽震度5弱=函館市、室蘭市
▽震度4 =小樽市、旭川市、東通村