大雪 交通混乱続く 道央との道路不通 帯広47センチ、上札内63センチ
日本海と三陸沖にあった、二つの低気圧が急速に発達して北海道を通過した影響で、十勝地方は1日昼前から強い雪が降り、十勝中部と南部を中心に記録的な大雪をもたらした。国道、高速道路の通行止めや幹線道路の渋滞、公共交通機関の運休が相次ぐなど、市民生活に大きな混乱を与えている。
1日の降雪量は中札内村上札内で63センチ、芽室61センチ、広尾と帯広空港59センチなど。帯広は47センチ。帯広空港は積雪の深さも135センチとなり、日降雪量と共に2006年の統計開始以降、史上1位の記録を更新した。芽室をはじめ陸別、本別、大樹は3月としての歴代1位の値を塗り替えた。
2日には、二つの低気圧がオホーツク海で一体となって強い冬型の気圧配置となり、風が強く吹いた。午後0時20分までの最大瞬間風速は帯広で20・5メートル、芽室で18・2メートル、豊頃町大津で17・2メートルだった。
大雪による交通障害で帰宅困難となった住民のために避難所が設置された。帯広、士幌、中札内で計20人が一夜を明かした。
北海道電力によると、1日夜から2日午前にかけて、広尾、音更、幕別、本別の4町約790戸で断続的に停電が発生した。現在は全て復旧している。
JR北海道は暴風雪のため、1日午後に続き、2日の帯広と札幌を結ぶ特急15本の運休を決めた。
帯広-羽田間の空の便は、2日正午時点で欠航はない。ただ、とかち帯広空港の除雪作業の関係で、午前発の便では最大約2時間の遅れが発生した。
十勝バスは市内循環線など14路線で、2日午前6時台から同9時台発の便を中心に運休。その後は順次運行を再開しているが、20分前後の遅れが出ている便もある。北海道拓殖バスは2日午前10時の時点で全路線を運休している。帯広と札幌を結ぶ都市間バスのポテトライナーは、2日全便で運休した。
国道や高速道路にも影響が出た。道東道芽室インターチェンジ-千歳恵庭ジャンクション間の上下線が吹雪のため通行止め。国道274号の日勝峠、273号の三国峠、38号の狩勝峠、336号の黄金道路、236号の天馬街道が、1日午後から通行止めとなった。2日正午現在も、5路線の通行止めが続いている。十勝と道央圏を結ぶ主要道路は全て不通となっている。
59校5園が休校・休園
2日は芽室、広尾、中札内など10町村で全小・中学校を臨時休校とするなど、管内の幼稚園、小・中学校、高校、各種学校合わせて5園59校が休校を決めた。帯広は市内の全小・中学校の登校時間を繰り下げる措置を取った。
悪路による交通事故も相次いだ。帯広署によると、2日午前8時までの24時間で、出合い頭や追突などの物損や軽傷の人身事故に関する通報が約90件あった。車が雪に埋まり動けなくなるスタックや、放置車両、迷惑駐車に関する通報も多く寄せられた。
路面悪化で渋滞
除雪に影響、混雑拍車
大雪の影響で、1日午後から十勝管内の道路は大混乱した。雪にタイヤを取られ立ち往生する車が続出し、帯広市内各地で渋滞が発生。数時間、車内に缶詰状態になった人もおり、渋滞などで除雪作業も遅れた。2日朝も道幅が狭くなった道路を慎重に運転する車の影響で渋滞が続いた。
市は帰宅ラッシュを避け、幹線道路の除雪を1日午後7時に開始。ただ、記録的な大雪や、立ち往生した車の救出のため作業は遅れ、通常よりも大幅に時間がかかった。除雪作業完了は、2日昼ごろの見込み。
大空地区では1日夕以降、大型トレーラー2台が雪にはまり、後続車が数時間にわたり足止めされた。渋滞は大通や白樺通、栄通、中島通などでも発生し、片側1車線に比べ、片側2車線の道路は雪が踏み固められにくく、タイヤが取られやすかったとみられる。
2日朝は、除雪した雪が壁のようになって見通しが悪く、放置車両の影響などで除雪が徹底されていない道路もあり、ノロノロ運転を余儀なくされた。歩道がふさがり、車道を歩く人も目立った。
帯広市や帯広開発建設部などは、2日の朝以降に帯広市街で大渋滞の恐れがあるとし、車での外出を控えるよう呼び掛けている。
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