ブドウ豊作 収量最多 昨年から倍増 池田町直営ほ場
【池田】町ブドウ・ブドウ酒研究所(安井美裕所長)直営ほ場の今年産ワイン用ブドウ収穫量が、過去最高になったことが分かった。収穫量の記録が残る1996年以降で最も多い143トン。特に「山幸」が大豊作で、好天や雨天がブドウの生育段階にうまく合致した。山幸を使った2017年ビンテージの十勝ワインが多く醸造される見通し。
町営ほ場の栽培面積は03年から35ヘクタールとなった。96年から2002年は現在の新工場がある場所にも作付けがあり、栽培面積は37ヘクタールあったが、それでも今年の量が多かった。
これまでの過去最高は12年の120トンだった。平年は110トン程度のため、平年比でも3割増、悪天候で不作だった昨年産と比べると2倍以上になった。
品種別では、清見が昨年産比1・3倍の18トン、清舞が3・4倍の24トン、山幸が
2・3倍の95トン、その他の品種が6トン。山幸は平年作が55~60トンで、今年産は大豊作だった。山幸の開花期の天気が良く着果が多く、7月には高温と日照時間が長かったことや、秋に雨が多く、粒が肥大した。
一方、平均糖度は過去3年間は22度あったが、今年産は20度超の水準となりそうで、果実が大きい分、水分が多いため、糖度と酸度が少なくなっている。町内の契約農家のほ場は、凍害が発生した場所もあるため、農家によるばらつきが出ているという。
町営ほ場の収穫は9月20日に始まり10月27日に終わった。同研究所製造課は「原料が十分にあり、今年醸造のワインは多くなりそう」としている。(関坂典生)
<池田町ブドウ品種>
欧州からの導入品種をクローン選抜した独自の改良品種「清見」と、「清見」と山ブドウとの交配品種「清舞」「山幸」がある。いずれも赤ワイン用原料。「山幸」は特に耐寒性に優れ、管内だけでなく道東でも栽培が増えてきている。
欧州からの導入品種をクローン選抜した独自の改良品種「清見」と、「清見」と山ブドウとの交配品種「清舞」「山幸」がある。いずれも赤ワイン用原料。「山幸」は特に耐寒性に優れ、管内だけでなく道東でも栽培が増えてきている。