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旭山の別荘10棟 明暗 清水町

流木やがれきを除去しながら、長山さんの捜索を行う機動隊員や自衛隊員ら(4日午前10時ごろ、清水町旭山地区で。金野和彦撮影)

川沿い長山さん宅だけ流失
 【清水】町御影市街地から南西に約10キロ。旭山地区の久山川沿いは5日ほど前まで、自然豊かな川岸近くにしゃれたログハウスが10棟前後立ち並んでいた。だが、8月30、31日の台風10号接近に伴う大雨で増水し、濁流が川岸に最も近かった町旭山の無職長山誠教さん(63)のログハウスをのみ込んだ。4日正午現在、長山さんの行方は依然として分かっていない。

 長山さんの友人、芽室町内の山田光治さん(64)によると、一帯は木立の中に10棟前後のログハウスや小屋が立っていた。久山川やその支流のせせらぎが聞こえる人気の別荘地だった。
 
 長山さんは5年ほど前、ここにポスト&ビームと呼ばれる軸組み構造のログハウスとまき小屋を手作りした。久山川から約30メートル、川から3~4メートルの高さに建てたログハウスで鳥のさえずりを聞き、訪れるリスに餌を与える生活を楽しんでいた。かつて建築関係の仕事をしていただけあり、「プロの仕事で素晴らしい出来栄えだった」(山田さん)。

長山さんが5年ほど前から暮らしていた手作りのログハウス。左はまき小屋(山田さん提供)

 久山川は普段、雪解け時でも川幅10メートルにも満たなかった。台風接近で濁流と化し、最も川岸に近い長山さんの住宅とまき小屋だけをのみ込んだ。その周辺は今、木々が生い茂っていたかつての姿をとどめていない。岸の幅は約50メートルにわたって視界が開け、流木や建物の残骸が一面を覆う。場所によっては高さ5メートルほどとなり、直径1メートルほどの岩も複数転がっている。

 現地では4日も捜索が続く。時折小雨が降る中、警察犬も投入し、長山さんの離れが見つかった周辺を中心に重機で流木を撤去しながら、懸命に行方を捜している。長山さんの知人らも捜索に加わっており、8月上旬に長山さん宅を訪れた清水町内の女性は「居ても立ってもいられない。早く長山さんに出てきてほしい」と切実に話していた。(杉原尚勝、池谷智仁)

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