台風10号 激甚指定へ 7、9、11号含め防災相が意向
松本純防災担当相は11日、岩手県や北海道に大きな被害をもたらした台風10号など、8月に相次いだ台風による豪雨被害を激甚災害に指定する意向を示した。岩手県の達増拓也知事と県庁で会談し、「台風7、11、9、10号の四つを一連の災害として指定する方向だ」と述べた。
激甚災害制度は、大規模災害で被災した自治体の財政負担を軽減する制度。指定されると、公共土木施設や農地の復旧事業などに対する国の補助率が1~2割程度引き上げられる。
達増知事は会談で、岩手県内の被害状況について報告した上で、台風10号の激甚災害指定や被災者生活再建支援制度の要件緩和などを要望した。松本防災相は「先週は北海道に行き、被害の甚大性を確認した。各地の被害額もおおむね把握できつつある」と述べ、一連の台風被害を早急に激甚災害に指定する考えを示した。
防災相は知事との会談後、記者団に「インフラあるいは農林水産関連など広範な分野が指定の対象になる」と語った。(時事)
十勝の関係者「復旧の励み」
自民党の中川郁子衆院議員(道11区)は「激甚災害の早期指定に向け、政府や各省の多くの関係者たちに現場を見てもらえるよう動いてきただけに、報道が事実とすれば、大きな一歩だ」とコメント。
その上で、農業収穫減への共済の特例措置や、排水設備などが崩壊する中での国直轄での農業基盤整備、JR北海道への救済対応などを挙げ「早い段階で方向性を打ち出してもらえるよう、まだまだ国にしっかりと要望していかなければならない。それが地域の人たちへの安心につながると思っている」とした。
十勝圏活性化推進期成会(会長・高橋正夫本別町長)は、4連続台風による災害を「十勝の開拓134年の歴史の中でも未曽有の出来事」と位置付けて、復旧に向けた支援を国や道に求める緊急要望をまとめている。
管内全19市町村に激甚災害の指定を求めており、高橋会長は「北海道全体、そして十勝の激甚災害指定を第一に要望してきた。それらを受けた国の判断の方向であればとてもありがたく、これを励みに復旧に取り組んでいける」と受け止める。
地震や台風などの災害が発生した際に、復旧に向けた地方公共団体や事業者の負担を軽減する制度。激甚災害に指定されると、地方公共団体が行う災害復旧事業への国庫補助率がかさ上げされたり、企業が復旧のために借り入れを受ける際に優遇措置が講じられたりする。被災自治体による被害状況調査・報告を受け、各省庁の査定を経て指定される。