十勝から2人出場 全国障害者技能競技大会
障害のある人が職場などで培った技能を競う、第36回全国障害者技能競技大会「アビリンピック」(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構、山形県主催)が28~30の3日間、山形県天童市などで開かれる。道内から出場する6人のうち2人は十勝勢。歯科技工部門に出場する先天性感音性難聴の田村公一(まさかず)さん(44)=帯広=は3度目の挑戦。十勝毎日新聞社デジタルメディア局に勤める広汎性発達障害の柳澤基(もとい)さん(22)=同=はパソコンデータ入力部門で初出場する。ともに金メダル獲得を目指している。(松村智裕)
歯科技工で金狙う田村さん
田村さんはオホーツク管内訓子府町出身。道高等聾学校歯科技工科(小樽)を卒業し、帯広の会社に勤めている。現在の職場で23年目。部分入れ歯の金具部分を主に製作している。
道大会に歯科技工部門はなく、大会本部から出場依頼があった。「今回の種目が総入れ歯作りと知り、やってみたいと思った」と3年ぶりの全国に挑む。
業務後に1日4~5時間練習。仕事仲間のチェックを受けながら、課題に取り組む。帯広グルッペ手話の会のメンバーも「頑張って」とエールを送る。
過去2度の出場で上位入りはない。同部門に出場した道内選手で過去最高は3位。今回の全国出場者は3人で、田村さんは「北海道の選手として初めての金メダルを取り、自分の仕事をアピールしたい」と意欲を見せる。
道選手団の旗手も柳澤さん
柳澤さんは帯広第五中、中札内高等養護学校を卒業し、社会人4年目を迎えた。新聞記事のデータベース作成や画像処理作業などを行っている。
昨年の道大会で最優秀賞を獲得し、全国に挑む。会社では10月以降、毎日1、2時間ほど練習。週末も自宅でアンケートはがきの入力、顧客伝票の修正、帳簿作成の課題に励む。
緊張する性格だが、そんなときは胸に手を当て、気持ちを落ち着かせることを心掛ける。全国大会には同僚手作りの注意事項を明記したしおりも持参する。
開会式では道選手団の旗手を務める。出場種目は33人エントリーとライバルは多いが、「22歳の挑戦をしようと思った。メダルを取りたい」。大好きなプロ野球・北海道日本ハムファイターズと同様、自身も「日本一」を目指す。