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サケ定置網に台風被害 管内7割、1億円超か

海岸に打ち上げられた定置網とみられる漁具(15日午後0時半ごろ、大樹町晩成のホロカヤントー付近。折原徹也撮影)

 【広尾・大樹・豊頃】十勝管内沿岸で行われている秋サケ定置網漁で、10~12日に道東に接近した台風17号の高波により、設置していた定置網が裂けるなどの被害が確認された。十勝総合振興局によると管内23カ統中16カ統に被害が及び、各漁協では網の取り替えや修繕に追われている。

 各カ統には沖側に設置する沖網と陸側に設ける陸網の2カ所あり、被害があったのは広尾漁協7カ統中2カ統、大樹漁協5カ統全て、大津漁協11カ統中9カ統。

 このうち大樹漁協では、台風が接近する前の8日に、波が高く被害が出やすい陸網4カ所を引き揚げて備えていたが、沖網2カ所と陸網1カ所の計3カ所が全損、その他の網でも一部損傷があった。全損の網は予備の網への取り替え作業を行っており、16日までかかる見通し。一部損傷のあった網は修繕した。

 関係者は「まさか沖網まで被害が出るとは」と驚く。網は1カ所3000万円ほどで、同漁協は「被害額は1億円以上になるのでは。魚も捕れず、ダメージは大きい」と話す。ある漁業者は「20日すぎが盛漁期。それまでには間に合わせたい」と作業に追われた。

破損した定置網の補修に向け、砂を詰めた袋を用意する関係者ら(15日午前11時20分ごろ、豊頃町・大津漁港)

 また、大津漁港では15日午前、定置網の補修に向け、関係者らが袋に砂を詰める作業に当たった。袋は定置網に付けて海中で網を固定するために使われ、関係者の1人は「台風と低気圧で波が高いだけでなく、(荒天が)長かったことが影響した。何よりまずは網を直さないと」と話していた。

 太平洋の沿岸部では2006年10月、台風並みに発達した低気圧によって管内3漁協の秋サケ定置網(全23カ統)が、高波により破損・流失するなど壊滅的な被害を受けた。十勝支庁(現十勝総合振興局)のまとめでは、サケ定置網は全23カ統で流失、破損し16億3065万円の被害が出た。

 同振興局水産課は「現地の漁協は対応に追われており速報で聞き取った段階。定置網としては06年10月の低気圧で被害が出て以来の大きなレベル。網の入れ替えをしながら操業を継続して、全く水揚げができない状況にはないと聞いているが、影響は大きい。今後は被害額や内容など被害状況を把握していきたい」としている。 (伊藤亮太、井上朋一、安田義教)

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