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愛球柏魂 故長沼監督と夢追う 帯柏葉高野球部

元監督の長沼さんの書とともに66年ぶりの甲子園を目指す帯柏葉ナイン

27日に帯広の森野球場で始まる夏の高校野球北北海道大会十勝支部予選で、帯広柏葉高校野球部(高橋北透主将、部員42人)は、元監督、書家で今月14日に他界した長沼透石(本名・輝夫)さん(享年82)が生前、揮毫(きごう)した「愛球柏魂(あいきゅうはくこん)」の応援うちわを背に戦いに挑む。うちわは父母会が準備・製作を進め、長沼さんが亡くなる2日前に完成した。同部は「(自分たちの戦いを)見守ってくれるのでは」(森川孝廣監督)と健闘を誓っている。

 帯柏葉は1949年、帯広高校時代に道東から初めて甲子園に出場。故長沼さん(帯柏葉1期生)はその際、選手として甲子園の土を踏み、54~78年には断続的に監督を務めた。62年には決勝で帯三条に0-1で敗れたが、甲子園へあと一歩まで近づいた。監督通算16季は同校最長だ。

 「愛球柏魂」は2006年、前衛書の大家でもある長沼さんが、野球部OBで7期生の瀬戸武さんが札幌ドーム社長に就いたのを記念に揮毫したのが最初。その後、OB会の冊子の表紙にも使われた。

 

「愛球柏魂」の書が入った父母会製作の応援うちわ(両面)

今回のうちわ製作は、昨年夏、この言葉を指導の柱の1つにする森川監督が長沼さんに、改めて「愛球柏魂」の揮毫を依頼し、額装されたものを監督室に飾っていたのがきっかけ。父母会がこの書を、夏用の応援うちわに使用することを森川監督らを通じて病床の長沼さんに依頼し、了承を得て実現した。

 うちわが完成して2日後に、長沼さんの訃報が届いた。森川監督は「指導は根性主義だった昔より今の方が大変だが、(恵まれた中で)幸せを感じてやらなければだめだぞと(長沼先生に)言われたことを思い出す。恩師の野水豊先生(元部長、01年死去)と一緒に見守ってくれるのでは」と話す。

 夏の公式戦は1932年に初勝利して以来、これまで
に139勝(十勝支部2位)している同部。選手たちは応援うちわを背に、66年ぶりの甲子園出場を目指す。(岡部彰広)



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