大樹で宇宙往還機実験 大阪府立大砂田准教授ら 小型機を空中分離
【大樹】大阪府立大学(堺市)工学部航空宇宙工学科の砂田茂准教授や得竹浩助手、学生らによる、宇宙往還機着陸時の機体制御などのデータを取得する実験が1、2の両日、町多目的航空公園北側原野の町有地で行われた。バルーンに取り付けられた小型の実験機を高度約200メートルで切り離し、プログラム通りに滑空するかなどのテストに臨んだ。(北雅貴)
同大が大樹町で実験を行うのは2月に続き2回目。障害物のない広大な敷地で安全を確保しやすく、気流も安定していることから再度の来町となった。
今回は有人飛行や荷物の運搬などを目的とした宇宙往還機が、地球に着陸する際の機体の制御や、空力特性を調べるための実験。実験機の機体は断熱材などに使われるスタイロフォーム。重さ400グラムで、GPS(全地球測位システム)を搭載し、指定された地点まで自律飛行を行う。
1日は午前4時半ごろから実験を開始。バルーンを上空に揚げ、タイマーで切り離された実験機は5メートルの誤差で着陸した。また、機体の向きや姿勢を指示するプログラムに書き換え、高度50メートルから上空に放出するテストも繰り返し行われた。
得竹助手は「無風の気象条件にも恵まれ、満足できる実験ができた。詳細は大学で分析し、さらに発展した実験を大樹で行えれば」と話していた。