JAXAの三陸大気球観測所 大樹移転を正式表明
【大船渡・大樹】独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA、本部東京)は11日、岩手県大船渡市にある国内唯一の科学観測気球実験場、三陸大気球観測所を来年度、大樹町に移転することを正式に表明した。
JAXAは同日午前10時から大船渡市役所で、17日に同観測所で行う試験について記者会見。その際、大樹町への移転について説明した。
会見で、JAXAの吉田哲也大気球観測センター長は「今年度の実験をもって大樹町に移転する。将来的に気球は大型化が予想され、三陸では手狭になることや安全面などを考慮した」などと述べた。大樹町では来年5月に実験が開始される予定。
同観測所は1971年に設立。2002年5月には、気球の世界最高高度となる53キロを記録している。移転するのは、気球が大型化し、スペースが足りなくなったことや、観測所周辺に民家が増え、観測機器の落下防止対策が難しくなっていたため。
大樹町は広大な敷地の多目的航空公園や、同公園内に全長85メートル、高さ35メートルの飛行船格納庫などの設備が整っており、気象条件も実験に適していることなどから移転先に決まった。(北雅貴)