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宇宙が縁で大樹へ 航技研の元職員・横山さん(岐阜) 移住目指し住宅造り

【大樹】旧航空宇宙技術研究所(航技研)職員で、来年秋ごろに大樹への移住を目指す岐阜県の横山晋太郎さん(61)が、町拓北のカシワ林で“手作り”の木造住宅を建築している。基礎工事と屋根は業者に頼み、残りは助けを借りながらも独力で作業。6月に着工し、ようやく外観が完成した。横山さんは「昔から森の中に住んでみたかった。宇宙が大樹との縁結びになった」と話している。

横山さんは広島県出身。航技研の企画室で研究管理を任され、無人宇宙往還機「HOPE」の実験地の選定の際には大樹を訪問、町多目的航空公園では開発実験が行われた。「大樹は広大な土地があり、晴天に恵まれ、実験に適していた」と当時を振り返り、「何度も足を運ぶ中で大自然の魅力に引き込まれた」と話す。
建築中の住宅は2×4(ツーバイフォー)工法による木造平屋で、ロフトを含めた床面積約66平方メートル。外観はほぼ完成し、進ちょく率は約50%。敷地内にはカシワやトドマツが林立し、現在は住宅隣のプレハブで生活しながら作業を進めている。
建築の腕前は「日曜大工の延長」としながらも、航技研時代に役場で宇宙関係を担当していた元町職員の沼田宏則さん(62)とともに大工顔負けの作業をこなしている。沼田さんも「年齢が近く、公私にわたる付き合いをしてきた。何かお手伝いできれば」と張り切っている。
今後は断熱材の工事や炊事場の設置など、内装工事に移る。来年秋ごろの完成を目指し、岐阜県に残っている妻(53)も将来的には移住するという。
航技研は2003年に他の機関と統合し、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)となった。JAXAの実験は現在も町多目的航空公園で頻繁に行われ、「航技研時代の知り合いが実験で大樹に来るので心強い」と話す。町企画課によると、移住する人が自ら住宅を建てるのは珍しい。横山さんは「周囲のカシワの林は心をすっと落ち着かせる。冬は雪景色が楽しみ」と期待している。
(佐藤圭史)

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