過去最高の飛行時間 大樹 宇宙機構、無人飛行船の機能テスト
【大樹】独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の無人飛行船の機能実験がこのほど、町多目的航空公園で行われた。災害監視を目的とした小型無人飛行船の研究開発のための技術試験で、昨年に続き実施。今回は燃料系統の信頼性を高めるためのテストを繰り返した。
同飛行船は全長14メートル、重量105・6キロの無人船で2基のエンジンを推進力にしている。昨年初めて大樹で実験し、機体の基本機能の確認や地上から飛行船に無線で旋回・上昇の信号を送るテスト、自動制御試験などを行った。
今回は、長時間飛行のため、燃料が無駄なくスムーズに供給できるかをチェックした。昨年は1個だった燃料タンクを小型2個に増やし、量が少なくなると、警報装置が作動する仕組みに変えた。
今月中旬から本格的な実験に入り、約10人のスタッフが町に滞在。1日に1、2回のフライトで上空50メートルから100メートルを中心に飛行した。JAXA無人機・未来型航空機チームLTAシステム技術セクションリーダーで実施責任者の中舘正顯さんは「(これまでで最高の)30分を超える飛行ができたことは収穫。警報装置も作動し、順調な実験ができた」と手応えを話していた。
実験は9月22日から同航空公園で再開される。10月4日まで通信関係の実験を行う予定となっている。(北雅貴)