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大気球の放球実験中止 大樹JAXA 重りつなぐロープ切れる

【大樹】宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2日午前6時から町多目的航空公園で、町内では初めてとなる大気球の放球実験を行う予定だったが、準備段階で大気球と重りをつなぐロープが何らかの不具合で切れ、実験を取りやめて延期を決めた。JAXAでは「残念な結果になったが、次の実験への1歩にしたい」としている。
JAXAは今年度から、国内唯一の科学観測気球実験場・三陸大気球観測所(岩手県大船渡市)で行ってきた実験を大樹に移行。第1弾となる今回の実験は科学的要素を盛り込まず、同航空公園での気球の放球、管制、太平洋海上での回収と一連の作業の確認を目的に、5月中旬から準備を進めてきた。
この日は、体積8万立方メートルの大型気球に500キロの重りをつなぎ、高度約30キロまで上昇させるため、午前4時ごろから約30人で作業を開始。格納庫内でポリエチレン製の気球にヘリウムガスを注入、直径約20メートルまで膨らませていた。
重りと気球はロープでつながれた状態で、それぞれ別の台車に載せて外に移動。気球を台車から切り離した後、重りを台車から離すまでの間にロープが切れ、気球は格納庫の屋根に落下した。格納庫や人への被害はなかった。
JAXA宇宙科学研究本部の吉田哲也大気球実験室長は「早急に原因を調査して特定し、より信頼される実験を心掛けたい」と話した。5日に実施予定だった2回目の実験も含め、今後の日程は未定。(北雅貴)

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