07年度大樹町 航空宇宙に関する活動報告 経済効果は3億2000万円
【大樹】町は、2007年度に町多目的航空公園など町内で行われた航空宇宙に関する活動報告をまとめた。それによると、実験などが地域にもたらした経済効果は前年度比5000万円増の約3億2000万円。今年度は大気球観測センターが岩手県大船渡市から移転することもあり、さらなる波及効果が見込まれる。(北雅貴)
07年度町内での航空宇宙関係の利用実績は、独立行政法人・宇宙航空研究開発機構(JAXA、本部東京)無人機・未来型航空機チームの飛行船や産業技術総合研究所のプロペラテスト、NPO法人北海道宇宙科学技術創成センター(HASTIC)などによる「CAMUI(カムイ)ハイブリッドロケット」の打ち上げなど実験が20件(前年度比6件増)と、機体整備などが3件。人数では延べ3700人(同1200人増)の利用があった。
大学では前年度と同様、東海大と大阪府立大、神戸大が研究成果を大樹で確かめた。また、滑走路や格納庫、管制塔などの視察は28件(同13件増)、595人(同408人増)と関心の高まりを示している。JAXAの大気球観測センター移転に伴う、放球装置や指令管制塔の整備工事も昨年秋から行われた。
経済効果は、宿泊代や食事、レンタカー利用料金といった滞在費用、資機材や燃料費、工事費などから推計。JAXAの大掛かりな飛行実験が行われた04年度の5億2000万円を除き、毎年着実に上がっている。町は「認知度が高まり、実験数が確実に増えた。利用希望があっても、航空公園がほかの実験で空いておらず、断っていることもある」としている。
今年度は防衛省技術研究本部やJAXAなどによる14件の実験が確定しているほか、産業技術総合研究所の実験や、「カムイ型ハイブリッドロケット」の実用化に向けた打ち上げも計画されている。