落下危険区域を拡大 HASTIC CAMUI実験失敗 安全対策まとめる
【札幌・大樹】大樹町多目的航空公園北側原野で8日に打ち上げられた道産ロケット「CAMUI(カムイ)」のパラシュートが開かず、機体が人のいた司令室のテントに落下したのを受け、実験を行ったNPO法人北海道宇宙科学技術創成センター(HASTIC、札幌)は22日までに、今後の安全対策に関する報告書をまとめた。落下危険区域の拡大や、打ち上げ発射角度の見直しなどを盛り込んでいる。
今回の打ち上げ失敗で、機体は、発射点からほぼ真横に25メートル離れた地点に設置された司令室に落下。当時、司令室には発射操作を行ったスタッフら8人がおり、テント前には5人の学生が立っていた。
今後の安全対策について、報告書は(1)落下危険区域を発射点前方150度から210度に拡大、司令室も真後ろに50メートル離す(2)発射角度を今回の88度から87度以下に変える(3)打ち上げ前安全確認手順書の整備−など5点を挙げている。
同型のカムイロケットの打ち上げは来年3月に同所で行われる予定。伊藤献一HASTIC副理事長は「失敗を教訓に、今後の打ち上げ実験では、報告書に書かれた安全対策を徹底したい」と話している。(北雅貴)