ヘリ実験相次ぐ 大樹町多目的航空公園 JAXA「滑走路など理想的」
【大樹】町多目的航空公園(町美成)周辺で、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA、本部東京)によるヘリコプターの実験が相次いでいる。20日までの3日間で、「ホバリングディスプレー」の評価試験が終了。今月末までにさらに2つの試験が行われる。実験関係者は「飛行機などが離着陸しない滑走路や広いスペースが、実験には非常に適している」と話している。(松村智裕)
同公園は今季、9月末から10月初旬まで行われた騒音軽減関連の実験を皮切りに、ヘリコプターを使った飛行試験が今月末まで計5種類実施される。
ホバリングディスプレーの試験では約1時間の飛行を3日間で計4回行い、周囲の景色が見えない場合に有効な機体位置を示すディスプレーのデータを取得した。
同試験に携わったJAXA運航・安全技術チームの津田宏果さんは「東京都の調布飛行場や茨城県の龍ケ崎飛行場ではほかの飛行機が利用するため、今後実験を行う場合も大樹が理想的」と話す。ヘリコプターは周囲への騒音などもあるが、同公園を管轄する町総務企画課によると、「周辺町民は実験に理解があり、協力的」という。
23日からは宇宙往還システムの自動着陸技術を蓄積するための「リフティングボディー飛行実験」やGPS(全地球測位システム)信号に似た信号を発信する「シュードライト」の試験が行われている。町とJAXAとのつながりは深く、今後も各種実験の舞台となりそうだ。