ヘリの横方向騒音計測 JAXA 大樹町多目的航空公園 クレーン2基で国内初
【大樹】独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA、本部東京)は26日、町多目的航空公園でクレーン2基を使ったヘリコプターの騒音計測実験を行った。クレーンにマイクを取り付け、滑空中のヘリコプターが発する横方向の騒音を計る試み。
JAXAの実験隊は今月19日にヘリコプターを使った騒音実験を開始。音の広がり具合などから、騒音を抑える飛行経路や離着陸法を分析する。JAXAは5月に同公園でクレーン1基を使った同様の実験を実施。JAXA飛行システム技術開発センターの五味広美さんによると、「クレーン2基を使った実験は国内で初めて」という。
この日は滑走路を挟み、約120メートルの間隔で据え付けたクレーン2基の地上45メートルと20メートルに集音機器を設置。滑走路上にもマイクを置いた。ヘリコプターがクレーン間を飛び、90メートル、60メートル、45メートルの高さを数回往復。最後はクレーンの間で空中停止し、データを収集した。クレーン2基を使った実験は28日まで行われた。
また、24日には日本騒音制御工学会騒音伝搬分科会の関係者9人が同公園に集まり、実験の様子を見学した。同公園では、名城大(愛知県)の岡田恭明工学博士のグループが27日まで気象変動と騒音伝搬の影響を調査。独立行政法人産業技術総合研究所(茨城県)が30日から11月1日まで、スピーカーを用いた騒音実験を行う予定。
(松村智裕)