騒音計測実験を開始 大樹 JAXA最適な飛行経路探る
【大樹】独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA、本部東京)は16日、町多目的航空公園でヘリコプターによる騒音計測実験を始めた。騒音を軽減するために最適な飛行経路の実用化が目的。今回は初めてクレーンを使って地上35メートルにマイクなどの計測機器を設置。より精度の高い計測法でデータを収集した。(松村智裕)
クレーンで地上35メートルに機器設置
JAXAは都心部でヘリコプターを運航する場合に大きな問題となる離着陸時の騒音について研究。周囲に雑音の少ない同公園での騒音試験では全長約14メートルのヘリコプター「MuPALε(ミューパル・イプシロン)」を使い、2000年から定期的に行っている。
今回はJAXA航空安全技術開発センターの奥野善則次世代運航安全チームリーダーなど十数人が実験に携わった。
この日は集音用のマイクをクレーンでつるしたほか、滑走路上に等間隔で点在させて実験を開始。
ヘリコプターは滑走路上での低高度の飛行やクレーン周辺でのホバリングなどで「バタバタバタ」と特有の飛行音を響かせた。
JAXAでは空間に「トンネル・イン・ザ・スカイ」と呼ばれる三次元経路を設定し、理論的に騒音を最小とする飛行速度や降下角度を探る。実験期間は26日までの予定。