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ビジネスジェット手応え 道内周遊モニターツアー十勝も訪問 富裕層の観光需要模索

碧雲蔵の日本酒を品定めするモニターツアー参加者(須貝拓也撮影)

 ビジネスジェットを活用した道内周遊で新たな観光需要の創出につなげようと、海外の富裕層などを対象にしたモニターツアーが7~10日に催行され、7、8の両日は十勝管内も訪れた。十勝、知床、札幌をビジネスジェットで巡る旅程で、管内では帯広畜産大学内の酒蔵「碧雲(へきうん)蔵」などでの食、ナイタイ高原での景観などを楽しみ、関係者は新しい北海道観光の形を探った。(月森七海)

 札幌市と、訪日観光客向けの「eチケット」システムを扱う「ジャパンチケット」が2023年に結んだ連携協定に基づき実施した。ビジネスジェットは、利用者のニーズに合わせ就航するプライベート航空機。今回のツアーでは、丘珠(札幌市)、女満別(オホーツク管内大空町)、とかち帯広の各空港間の移動に使用した。車や列車では5~10時間かかる移動時間を1時間程度に短縮し、短期間での道内周遊を実現した。

 参加者は、台湾の富裕層やインフルエンサーなど4人。7日から3泊4日でツアーを体験した。

 札幌入りした一行は7日、陸路で帯広を訪れ、十勝川温泉第一ホテルの「三余庵」にチェックイン後、「碧雲蔵」を見学。施設内では、市内の中華料理店「春香楼」の料理が振る舞われた。「フカヒレトマト煮込み」などに地元の食材を盛り込み、日本酒とのペアリングを意識したメニューが並んだ。

 春香楼の鈴木智亮店主は「ゲストの好みや北海道のイメージを重視し、店で提供している料理をアレンジした」と明かす。

 翌8日は、上士幌町の展望施設「ナイタイテラス」で十勝の雄大な自然や食事を満喫。その後、帯広空港からビジネスジェットで札幌へと向かった。

 参加者の一人で、会社経営などを手掛ける女性は年に数回、日本を訪れているという。背景にあるストーリーを重視するといい、「酒造りに関わる職人の精神に触れられ、興味深かった。碧雲蔵も宿泊先もスタッフの細かい気配りを感じることができ、素晴らしい」と感想を話した。

 ジャパンチケットの宮崎有生執行役員は「ビジネスジェットの利用は、広大な北海道での最適モデルの一つになるかもしれない」と手応え。帯広でのツアーを企画した日本航空帯広支店の阿部弘輝支店長は、管内の富裕層向け宿泊施設数を課題に挙げ「高付加価値の旅行に対し、受け入れ体制がまだまだ足りていない」と指摘する。

 都市間の移動に時間のかかる道内は、ビジネスジェットを使ったツアーの舞台として最適の環境。特に道東は、海外での知名度がまだまだ低く未開拓の市場のため、潜在的な需要は高いとみられる。企画した札幌市などは高付加価値の短期滞在型ツアーの実現へとつなげたい考えだ。

関連写真

  • 日本酒のラベルを興味深そうに見つめるモニターツアー参加者(須貝拓也撮影)

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  • 中華のコース料理と日本酒を楽しむモニターツアー参加者(須貝拓也撮影)

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  • 日本酒で乾杯するモニターツアー参加者(須貝拓也撮影)

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  • 碧雲蔵を見学するモニターツアーの参加者(須貝拓也撮影)

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