大樹高校吹奏楽部に8人入部 5年ぶり2桁に
【大樹】大樹高校の吹奏楽部(西川美愛部長)に今年度、1年生7人を含む8人が入部した。部員は計11人(男子4人、女子7人)となり、2020年度以来の2桁に。新入部員は楽器未経験者も多いが、「まずは楽器と親しむ」ことを第一に練習に励んでおり、顧問の高橋周大教諭も「音楽を通して、生徒たちの成長につながれば」と見守っている。(松岡秀宜)
5月下旬。高校生活に慣れた1年生部員も、同校の音楽室で懸命に練習に励んでいた。1年生7人のうち吹奏楽経験者は1人だけ。中には楽譜の音符などにカタカナを記す部員の姿もあった。「まずは、しっかり音を出せるように」と集中する。
更別村から通う上井惇史さん(15)は、中学までは野球で汗を流していたが、友人に誘われて吹奏楽部に入部。「体が大きいから」と、金管楽器の中では最も大きくて重いチューバを担当する。
チューバは、最も低い音域を担当する楽器だ。その音色は低く響くため、曲の土台を支える重要な役割を担う。「音出しや指使いは、できないことも多い」といい、練習で一つ一つ確かめる。
新入部員では唯一、吹奏楽経験者の工藤都さん(15)は「ずっと、やってみたかったから」と、大樹中時代に担当していたトランペットからユーフォニアムに転向した。「まあまあ、慣れてきました」と、はにかみながら基本練習に忠実に励む。
同部が新入部員を迎えるのは2年ぶり。先輩が部活動を卒業した昨冬以降、部員3人で活動した現3年生から見ると、1年生は「部活動では初めての後輩」(西川部長)だ。「これまで、後輩に指示や指導する機会はなかったため、戸惑った」と話す西川部長だが、今は「部長として責任を持って」とけん引する。
今春、大樹高に赴任した高橋教諭は、前任の阿寒高(釧路管内)でも、小規模の吹奏楽部を指導していた。「楽器に慣れ、楽しいだけでなく、ある程度の規律を学びながらの演奏を」などと生徒に説く。
同部は昨秋、OB・OGらの協力も得て、4年ぶりの定期演奏会開催にこぎ着けた。高橋教諭は「新入部員も一緒に、秋の定期演奏会での演奏を一つの目標に置く」と意気込む。部員たちも、一つ一つの音色を生かした演奏を披露できる日を目指し、懸命に取り組んでいる。