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開西病院の神経内科に藤田医科大学の名誉教授、武藤医師が就任

開西病院で診察する武藤医師(開西病院提供)

 社会医療法人博愛会(帯広市、細川吉博理事長)は4月、運営する同市内の開西病院(西23南2)に脳神経内科を新設した。脳・神経疾患診療センター長として、藤田医科大学(愛知県豊明市)名誉教授などを務める武藤多津郎医師(71)を招いた。武藤医師は「今までの経験がお役に立てれば」と話している。(高井翔太)

 同病院では、整形外科医では判断できない症状を訴える患者の来院があり、武藤医師に打診。同法人が運営する介護老人保健施設ヴィラかいせいの理事兼施設長への就任も快諾を得た。

 武藤医師は、石川県金沢市出身で名古屋大学医学部医学科卒、同大大学院医学研究科修了後、福井医科大学(現福井大学)に入職。この間、1987~90年に米国国立衛生研究所の客員研究員として留学した。藤田医大中部国際空港診療所所長などを経て、今年、藤田医科大学名誉教授、順天堂大学(東京)医学部客員教授にも就任した。

 これまで認知症・パーキンソン病発症の原因物質を探す研究に従事。中枢と末梢(まっしょう)の両神経系が侵される脳脊髄根末梢神経炎(EMRN)の原因抗体を世界で初めて発見することにも成功した。海外を含め医療機関から依頼があった抗体検査は1500例を超える。

 EMRNは意識障害や精神的な異常行動と前後して急に手足がしびれてきたり、手足が動かなくなる症状が出るという。「診断がつかずに亡くなる人もいるが、この病気だと分かれば治療法がある」と国内唯一の検査可能医療機関として保険適用を目指している。

 末梢神経の病気として有名な慢性炎症性脱髄性多発神経炎は、地域差はあまり見られない。一方で脊髄の病気である多発性硬化症は、北海道など寒い地域に多いことから「EMRNは北海道でも未診断の症例が潜在的には多いのではないか」と警鐘を鳴らす。開西病院での診療とともに、藤田医科大学と順天堂大学で研究活動も続ける。

 武藤医師は「セカンドオピニオンのような形で、診断に納得できないようなことがあれば一度来てもらえれば」と呼び掛けている。診察は第1~3水曜の午後。予約や問い合わせは同病院(0155・37・1121)へ。

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