「書店ない村で本を手に取る機会を」 上更別ポピーマートに移動書店 継続にも意欲
【更別】更別村上更別地区の住民が協働で経営するスーパー「ポピーマート」に4月19日、道東を中心に活動する移動書店「月のうらがわ書店」が初出店した。「書店のない更別村で、本を手に取る機会を提供したい」と企画され、住民たちは本との出合いを楽しんだ。
「月のうらがわ」出店
昨年9月からポピーマートの店長を務める原山達也さん(48)が、月のうらがわ書店店主の長谷川彩さん(36)に出店を打診。長谷川さんも「スーパーで販売したことは一度もないが、地域の人に必要とされているお店と知って心が動いた」と快諾した。
この日、ポピーマート内の一角に暮らしや健康、レシピ、動植物、短編集、絵本など多彩なジャンルとテーマの本が並んだ。「客層も好みも分からないので、新刊、既刊書をバランスよく選んだ」(長谷川さん)という。
店内にチラシを貼るなどして告知したこともあり、高齢者から親子連れまで幅広い年齢層が来店。気になる書籍を手に取り、長谷川さんの説明に耳を傾けながら本を選ぶ時間を楽しんだ。
近所に住む佐々木朋子さん(91)は「本は大好き。帯広まで行かないと買えないので、ここまで来てくれてありがたい」と喜んだ。
長谷川さんは「地域の人による地域の人のためのスーパーマーケットの中に、本屋がある景色をつくることができてとても光栄」と話し、原山さんは「書店のない村で本を介して地域のつながりが生まれると面白い。今後も継続していけたら」と意欲を見せていた。
(斉藤さゆり通信員)