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作詞者の堤さんに校歌の合唱送る 芽室中学校

生徒たちの校歌の歌声を聴く作詞者の堤さん(手前)

 【芽室】芽室中学校(新倉忠司校長)の3年生124人が、地域住民や高齢者に向けて合唱を披露する発表会が3日、体育館で開かれた。同校校歌を作詞した堤美智子さん(91)が、入居する特別養護老人ホーム芽室けいせい苑(植松哲子施設長)の職員らと来場。校歌を歌う生徒たちの姿に涙ぐみ、拍手を送った。(近藤周)

 堤さんは1933年芽室町生まれ。帯広高等女学校(現帯広三条高校)時代に短歌を始めた。64年に町の中心市街地で起こった芽室大火をきっかけに、文章も書くようになった。「自分が経験した火事の恐ろしさを書き残さなければ」と筆を執ったという。「堤道子」のペンネームで執筆活動を続け、詩集や随筆集も出版した。

 73年に制定された芽室中校歌は、歌詞を一般公募した。堤さんも応募し、見事採用。半世紀にわたり生徒たちに歌い継がれている。

 この日の発表会で、生徒たちは全学年で校歌を合唱。堤さんが歌詞の中で最も好きだという歌い出し「見晴かす十勝野に陽は輝きて」を聴くと、堤さんは感極まって涙した。その後、校歌の3番までを一緒に口ずさんだ堤さんは「生徒たちが精いっぱい歌っていてとてもよかった」と笑顔を見せた。

芽室中体育館に飾られる校歌歌詞には堤さんの名前が今も刻まれている

「誇りを後輩に」
 3年の植松葉那さん(14)は「歴史と伝統のある校歌を歌い、生徒として芽室中の誇りを感じている。この思いを後輩たちにも引き継いでいきたい」と話していた。

 発表会は、文化祭の合唱コンクールに向け練習を重ねる3年生の歌声を披露し、町民や高齢者と交流を図ろうと昨年初めて開催。今年は、芽室けいせい苑と介護老人保健施設りらくの入居者や芽室合唱団員、地域ボランティアなど約60人が来場した。

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