士幌に刺し身専門店オープン、元鮮魚店の星屋さん再起
【士幌】刺し身を専門に販売する「海鮮おさしみ工房」が8日、士幌町本通東8線にオープンし、町内外からの多くの客でにぎわっている。元鮮魚店経営の星屋隆蔵さん(77)が「人生100年時代」と再起、「こだわりの詰まった楽しい店にしたい。多くの人たちに魚をもっと身近に感じてもらえれば」と張り切っている。(大健太郎)
星屋さんは士幌小、旧士幌中(現士幌中央中)、帯広農業高卒。青果物の取扱高日本一を誇る中央卸売市場大田市場(東京)で流通を学び、1969年、親戚が営んでいた町内の鮮魚店「ほしやのおさかな倶楽部」を引き継ぎ、独学で魚のさばき方を学びながら店を切り盛りした。
2019年6月に鮮魚店を閉め、長男と一緒に新会社「ほしやグループ」を設立、旧「士幌フードセンター」に「しほろ海山(かいさん)市場」を開業した。
来店客の要望に応じて少量でも切り売りする鮮魚コーナーは人気を集めたが、新型コロナの影響で経営が悪化し、23年に閉店した。
「また、おいしい刺し身が食べたい」。閉店後もなじみ客からこうした声が届いていたという。魚の消費量が減少しているとのニュースを見て、「新鮮でおいしい魚を直接届ける場所を町につくりたい」と再起を決意。空き店舗になっていた食料品雑貨小売店を改装して開店した。
帯広の市場で買い付けた、旬の本マグロやサーモン、ウニなどさまざまそろえ、海鮮生ずし(780円)や海鮮生太巻き(同)などもある。「新撰組」の名の入った法被や鉢巻きを身に着けて店に立ち、「手を抜かずに、これからも丁寧に仕事をしていきたい」と意気込む。
金・土・日曜のみ営業。正午~午後6時(売り切れ次第終了)。問い合わせは星屋さん(090・4873・8967)へ。