肩関節の専門外来を開設「五十肩と片づけず診断を」 広尾国保病院
【広尾】広尾町国保病院(山口聖隆院長)は12月、肩関節の専門外来を開設した。連携する北斗病院(帯広市)から月2回、専門医の派遣を受ける。町内ではコンブ漁を営む漁業者や高齢者を中心に、肩の痛みに悩む住民は多い。同病院では「何でも“五十肩”と片付けず、診断を受けてほしい」としている。(能勢雄太郎)
肩関節は人間の部位の中でも、最も動かす機会の多い関節。「四十肩」「五十肩」といった年齢からくる痛みは一般的だが、中には「腱板断裂」(腱板が裂けたり、切れたりしている状態)や「石灰沈着性腱板炎」(腱板に石灰が付着し炎症が起きる症状)とは知らず、生活しているケースもあるという。
肩関節外来は、これら五十肩と似た症状を放置し、病状が悪化することを防ぐのが目的。北斗病院・肩関節センター長の木村明彦医師(60)が担当し、14日に開設した。第2・4木曜日(午後2時~同5時)に外来診療を受け付ける。
木村医師は札幌、釧路などでキャリアを積み、帯広のクリニックで肩関節疾患の診療に携わったエキスパート。北斗病院のセンターには広尾や日高管内えりも町などの住民が通院していたといい、広尾の外来開設初日も町内外の20人が受診する盛況ぶりだった。
木村医師は「1次産業や季節系の仕事に従事する人はシーズン中は休みがなく、肩が痛くても『五十肩』と放置し、悪化するケースが多い。まずは検査、診断をしっかり行い、病名をはっきりさせた上で正しい治療を」と呼び掛けている。
問い合わせは広尾町国保病院(01558・2・3111)へ。