大谷グラブ「使うの楽しみ!」 十勝の小学校 野球人口増に期待
日本全国の小学校に約6万個のグラブ寄贈を発表した米大リーグの大谷翔平選手。12月から順次、全国の教育委員会に配布される予定で、右利き用2個と左利き用1個の計3個が各校に届けられる見通しだ。十勝管内の野球少年からは「使うのが楽しみ」と心待ちにする声が聞かれ、学校側も児童の規模にかかわらず「活用させてもらう」と歓迎している。(澤村真理子、北雅貴)
「(寄贈は)びっくりした。絶対に使いたい」。大谷選手が今季プレーしたエンゼルスとチーム名が似ている本別町の勇足エンジェルス主将の今野大河さん(12)=本別勇足小6年=は声を弾ませる。
チームの4番打者で捕手と投手を兼ねる今野さんにとって大谷選手は憧れの存在。「メジャーリーグでMVPと日本人初の本塁打王はすごくて言葉が出ない」と感嘆する。寄贈品に左利き用グラブも含まれていることに「自分のチームにも左投げが1人いる。みんなのことを本当に考えてくれているなと思う」と人柄にも魅了されている。
チームは人数が8人となり、来季は本別レッズと合同になる予定。今野さんは「大谷選手からもらったグラブで、初めてキャッチボールをする人もいると思う。野球仲間が一人でも増えたらうれしい」と話す。
学校側も大谷選手の心意気を歓迎。十勝管内で最も多い626人の児童が在籍する帯広豊成小の平野司校長は「野球をやるやらないにかかわらず、みんなが名前を知っている大スター。子どもたちが夢を持ってくれるといいなと思う」と語る。
マンモス校のため、全員が手に取る機会の確保には工夫が必要で、「大谷選手も『使ってほしい』と寄贈してくれるので、まずは展示をして紹介し、体育の授業やクラブ活動で使わせてもらう」とする。
一方、全校児童8人の音更東士幌小の増田覚校長も「体育の授業や休み時間に使わせてもらう。体力テストで使うと、子どもたちのテンションも上がるのでは」と期待。「左利きのグラブは(該当児童がいないため)展示させてもらうかもしれない」と話している。
グラブは全国の小学校の受け入れ意向を確認して贈られる。帯広市教委も現在、各学校に寄贈について意向調査している。