道内ドライバー7割が停止せず、信号ない横断歩道 車優先の意識根強く
信号機のない横断歩道で歩行者が待っている際、道内では約7割の車が停止しないことが日本自動車連盟(JAF)の全国調査で分かった。道内の停止率は全国平均を大きく下回っており、十勝管内では帯広署や地元JAFなどが交通規則を守るよう注意を呼び掛けている。
今回の全国調査は8~9月にかけて実施され、都道府県ごとに2カ所ずつ調査した。横断歩道を通過した計7087台の車が対象となり、停止したのは45・1%に当たる3193台だった。JAFによると、停止率は全国的に上昇傾向にあるものの道内では29・0%にとどまった。
8台目で止まった
実際に道内の車はどれほど止まらないのか。今月初旬のよく晴れた日の午前中、記者がなかなか渡れないという情報がある帯広市内の信号のない横断歩道に立ってみた。
横断歩道があるのは帯広百年記念館の前だ。片側1車線の直線道路で見通しはよく、横断歩道の上部には横断歩道を示す道路標識まで付いている。
記者が百年記念館の方へ渡ろうと横断歩道に立ったところ、手前車線を5台、対向車線からも2台が速度を緩めることなく通過した。手前から来た6台目の軽自動車が止まり、対向車線の車が途切れたことでようやく渡ることができた。しばらく横断歩道を観察していると、歩行者がいても止まる車はまれで、車が途切れるのを待って渡る歩行者が目立った。
「車優先」根強く
交通違反を取り締まる立場の道警は、ドライバーの車優先の意識の根強さに苦慮している。帯広署の堺玄州交通1課長は「信号のない横断歩道での取り締まりは常時しているが、止まらない車が多い。一歩間違うと命にかかわる事故に直結するので、横断歩道は歩行者優先だということを理解してほしい」と話している。(藤家秀一)