昭和の帯広、市児童会館に 中札内村の中川さんが制作のジオラマ
帯広市児童会館は3日、150分の1スケールで昭和50年代の市内中心部を再現したジオラマの常設展示を始めた。ジオラマを作成、寄贈した中札内村の会社員中川忠さん(51)は、「見ていただいた方に、昔の活気ある帯広を思い出していただけたらうれしい」と期待している。
ジオラマはもともと、音更町内の私設鉄道博物館「十勝晴駅」で保管されていたが、昨年4月に同博物館が閉館。新たな保管先を考えていた中川さんは、2021年11月に同児童会館でジオラマの期間限定展示をしたこともあり、寄贈を思い至った。
ジオラマは一部を除き、ほぼ全てペーパークラフト。「帯広駅前」「広小路」「西1条通」「西2条通」の4区画ごと別個に作られていて、各区画を合わせると計約4平方メートルの大きさ。「とにかく再現に必要な写真などの資料集めが大変だった」と中川さん。完成には10年ほどの歳月を費やしたという。
2階廊下に展示する。ジオラマ内には小型カメラが設置してあり、付近のモニターで精巧に作成された街並みの細部を、映像で閲覧できる。
3日には常設展示初日を祝い、同児童会館でセレモニーが開かれた。市教委の広瀬容孝教育長があいさつを述べた後、来館者にジオラマが公開された。親子で訪れた帯広市内の仲本三和さん(46)とひまわりさん(8)=帯広緑丘小3年=は「ゴジラになった気分でおもしろい。私たちは6年前に帯広に来たけど、こんな風景だったんだと知ることができて良い」と笑顔を浮かべていた。
入場無料。月曜休館。12日までは全てのジオラマを展示し、以降は4区画をそれぞれ1カ月ごと展示する予定。4、5、10、11、12日には「クラフトワークス十勝晴ST」による、鉄道模型Nゲージの走行実演会も行われる。展示は午前9時~午後5時(12日は午後3時まで)。
渡邊誠克館長は「幅広い年代の人に楽しんでいただきたい」と話している。問い合わせは同児童会館(0155・24・2434)へ。(山田夏航)