「十勝アドベンチャートレイル」運用再開、一般体験も視野 三菱自動車
【音更】三菱自動車は、十勝研究所(音更町長流枝)内にあるオフロードコース「十勝アドベンチャートレイル」の本格運用を再開した。今後、海外の販売会社やメディアを招いた自社商品のPRイベントを検討する他、一般消費者に向けた運転体験の提供も視野に入れる。
十勝アドベンチャートレイルは、四輪制御技術や耐久性などをテストするコース。1997年に一般向けレジャー施設「十勝四駆ランド」として開設し、2005年まで営業したが、温浴設備の故障もあって閉業していた。
車両開発を強化するため、昨年9月に本格オフロードコースとしてリニューアル。9万2000平方メートルの敷地に、総延長2・8キロのコースを造成した。河原を想定した石の道「ロック」や、大小の「うねり」「モーグル(こぶ)」、最大傾斜40度の坂などを備える。
6、7日の両日は、リニューアル後初の対外イベントとして、報道向け新型車試乗会を開催。同コースで作り上げた新型トライトンの走破性をPRした。
ドライバーとしてダカールラリー(パリダカ)を2度制した経験を持つ第一車両技術開発本部の増岡浩担当部長は、「限界性能を試せる厳しいコースが車を育てる」と、コースの重要性を説明。同社の四輪駆動システム開発の第一人者、澤瀬薫フェローは「(開発の手段として)シミュレーションもあるが、開発者の経験の範囲内でしか試せない。最近の異常気象でも安心して乗れる車作りには、ハードなテストコースが重要」と話した。
昨今のアウトドアブームを受け、同社は今後5年間、国内外で16車種の発売を予定しており、「『三菱自動車らしい車』を作り込む『聖地』」として活用が見込まれる。(吉原慧、奥野秀康)