体験型観光の拠点「コンブ小屋」を設置 広尾の保志さん
【広尾】広尾町フンベ地区にあるコンブの干し場に、多機能型の「コンブ小屋」が開設された。通常の出荷作業に加え、コンブをテーマにした体験型観光の拠点として活用する。小屋の外壁には地場産材を活用、町が普及を図る「サンタランドウッド」(広尾産木材のブランド名)の発信にもひと役買う。
若手漁業者の保志弘一さん(37)が自身の干し場の一角に設置した。保志さんは1次産業の発信に取り組むピロロツーリズム推進協議会(菊地亜希会長)の中核メンバーで、体験型観光や地場産材の振興を理由に、とかち財団(帯広市)と町の支援を受けた。
小屋は40フィートコンテナ(長さ12メートル、幅2・4メートル、高さ2・2メートル)を改修。外壁に地場産のカラマツ材を使用し、木目調の外観にした。内装にもサンタランドウッドを使用している。今後、テラスを配置することにしている。
通常は作業員の休憩所などに活用し、町と連携して開発を進めるコンブをテーマにしたアウトドア観光の拠点にもなる。
2月26日には作業小屋周辺を会場に、ピロロ推進協が主催する冬場観光のモデルツアーを開催。小屋の内部で地場産のタコやツブを使った「たこ焼きパーティー」を企画し、参加者を楽しませた。
保志さんは「人手不足など1次産業をめぐる環境は厳しい。観光と結び付け、将来にわたり漁業が持続できる仕組みをつくりたい」としている。(能勢雄太郎)