女性へのDV相談、帯広157件 過去5年間で最多に
帯広市に今年度寄せられている女性に対するDV(ドメスティックバイオレンス、配偶者や恋人からの暴力)に関する相談件数は、9月末時点で157件(前年同期比35件増)と過去5年間で最多のペースとなっている。同時期で2番目に多い年は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う国の一律10万円給付(特別定額給付金)について、市がDV被害者も受け取れる措置を行った20年の156件。市市民活動課は「離婚すると経済的に不安定になってしまうという不安を抱えて、相談を控える人もいる。各関係機関につなげることもできるので、一人で抱え込まず相談してほしい」としている。
DVは身体的、精神的、性的、経済的、社会的、子どもを利用した暴力などがあり、相談者の年齢層は10代から70代まで幅広い。年度を通してみた過去5年の市へのDV相談件数は昨年度の300件が最多。今年度は月別にみると6月の34件が最も多く、次いで9月の31件。今のペースでいくと昨年度を上回る可能性がある。
内閣府によると、昨年度に全国の自治体などに寄せられたDV相談件数は17万7110件(暫定値)。20年度の18万2188件と比較すると減少しているものの、毎月1万4000~1万6000件程度の相談件数が寄せられており、引き続き高水準で推移している。
市では電話相談だけでなく、毎週木曜日を「女性相談の日」として、市庁舎1階に窓口を設けており、緊急を要する場合は、警察署やシェルターなどとの連携も図る。また、高校などでデートDV予防講座なども毎年実施している。
12日から25日まで「暴力なくす運動」
12日からは「女性に対する暴力をなくす運動」期間(25日まで)に合わせパネル展や講座を行う予定。「相談は勇気のいることだと思うが、まずは相談していただき、一緒に考えていきたい」としている。(菊地青葉)
■DVに関する主な相談窓口
・帯広市女性相談サポートライン(0155・65・4230)
・十勝総合振興局配偶者暴力相談支援センター(0155・26・9029)
・帯広警察署相談窓口(0155・25・0110)
・北海道女性相談援助センター(011・666・9955)
・駆け込みシェルターとかち(0155・23・9911)
交際中の暴力防ぐ 17日に市民講座
帯広市男女共同参画講座・帯広市民大学連携講座「知っていますか?デートDVのこと」が17日午後7時から、帯広市内のとかちプラザで開かれる。入場無料。
講師は札幌を中心に暴力未然防止活動などに取り組むNPOピーチハウス(札幌市)の志堅原郁子さん。
参加には電話か専用フォームからの申し込みが必要。Zoom(ビデオ会議システム)での参加も可能で、定員は会場とZoom各先着40人。申し込みは市生涯学習文化課(0155・65・4192)か専用フォームへ。会場は前日まで、Zoomは15日までに申し込む。(菊地青葉)