円安で学費支払いピンチ 米在住の大学生中山さんがCF募る
円安が急激に進む中、米国に住む帯広市出身の大学生が窮状を訴えている。マレー州立大(ケンタッキー州)2年生の中山稜太さん(24)は1年間の学費が1年前と比べて60万円ほど高くなり、生活費も含めると年間約100万円の出費増に。「大幅な円安で学費を払うのが非常に厳しくなった」とし、クラウドファンディング(CF)で支援を募っている。(松村智裕)
中山さんは帯広西小、帯広第二中時代、サッカーのクラブチーム「プログレッソ十勝FC」に所属し、主将を務めた。スポーツ推薦で進んだ大谷室蘭高を卒業後、「海外で勉強したい」とワーキングホリデーでカナダ、オーストラリア、ニュージーランドへ。それぞれ1年ずつ過ごし、貯金をしながら英語力を身に付けた。
その後渡米し、2021年8月から同大の国際ビジネス学部で学んでいる。「世界中から学生が集まり、学ぶ意欲がものすごく高い」と刺激を受けている。
学費は奨学金と親からの支援、自身の貯金を充てている。中山さんによると、同大の学費は米国内では比較的安いとはいえ、昨年1年間で約1万8000ドル、生活費を含めると年間約3万ドルがかかるという。単純計算すると、3万ドルは1年前の1ドル=109円換算で計327万円、現在のレート143円では429万円となり、約100万円の違いがある。
留学生のアルバイトはキャンパス内のみで週20時間以内と制限されている。そのため、中山さんは夏休みなどの長期休暇中は帰国しバイトに励んでいるが、「円安が進むたびに稼いだ日本円が減っていく」と肩を落とす。加えて、米国内はインフレ(物価高)が進み、「今後は家賃などの生活費がさらに高くなる可能性がある」と心配する。
「十勝出身で、海外で挑戦している人がいることを多くの人に知ってもらえれば」と中山さん。「なんとか大学を卒業し、迷惑を掛けている親に恩返しをしたい」と話し、「目標は米国での起業。日本からの留学生を支援する会社を作りたい」と夢を描いている。
CFの目標金額は103万円。10月20日まで大手サイト「レディーフォー」内の特設ページで募集している。(松村智裕)