介護給付費約3400万円を不正受給 音更の「生活介護ライフ」指定取り消し
道は1日、音更町内の障害者支援施設「生活介護ライフ」が、2017年から18年にかけて、介護給付費など計約3443万円を不正受給したとして、障害者総合支援法に基づき、指定障害者サービス事業者の指定取り消し処分とした。指定取り消しは10月31日付。
十勝総合振興局によると、クローバー(音更、中鍵新也社長)が運営する生活介護ライフは、配置が義務付けられている常勤の職員(サービス管理責任者)を配置していないにもかかわらず、「配置した」とする虚偽の記録を作成。実際は配置していないサービス管理責任者の名義を用いて、利用者の住民票がある道内外6市11町1村(このうち十勝管内1市8町1村)に介護給付費を請求し、17年4月から18年9月まで、計約3443万円を不正に受給したとされる。
サービス管理責任者は支援計画の作成などを担い、配置できない場合は介護給付費が最大50%カットされる。生活介護ライフでは、配置しているかのように装った勤務表や個別支援計画などを作成。介護給付費を減額せずに請求した。
今年1月、道に匿名の情報提供があった。8月に聴聞会が開かれ、同社は不正受給を認めた。道は不正受給分に40%を加算して返還を求めるよう、6市11町1村に助言する考え。
同社によると、「生活介護ライフ」は36人が利用している。グループホームなどの事業も展開しているが、同社では「生活介護ライフも含めて事業譲渡に向けて交渉中」という。
取材に対し中鍵社長は、「施設の運営費などに用いた」とする不正受給分などは返還する考えを示した上で、「利用者やご家族、地域などに対して多大なご迷惑をお掛けし、申し訳ない」としている。(松岡秀宜)