「水が飲めない・・・」 帯広市内公園で相次ぐ蛇口窃盗 金属価格高騰が影響?
帯広市内の公園で6月下旬から相次ぐ、水飲み場の蛇口などが狙われた窃盗事件。世界的に価格が高騰している金属を狙った犯行は全国で確認されているが、なぜ蛇口なのかは謎。いずれにしても、水を求めたい夏本番を前にした犯行に、市民からは戸惑いや怒りの声が上がる。
6月26日に最初の被害が確認された緑ケ丘公園。市内の40代男性は1週間ほど前、愛犬に水をやろうとテニスコート横の水飲み場に向かったところ蛇口がなくなっていた。「これからの暑い時期には皆が必要とする。なぜこんなことをするのか」と不思議がった。
13日までに確認された被害は15件、盗まれた蛇口などは26個に上る。このうち帯広市みどりと花のセンターが管理する公園では12件の被害に遭っており、想定外の犯行に頭を抱える。復旧させたのは2件のみ。なるべく早い対応を目指すも「事件が落ち着いたわけではないため、(再犯の恐れなどから)すぐに付けることは難しい。警察とも相談したい」(鎌田哲也センター長)とする。
全国では昨年から蛇口など金属製品の窃盗が相次いでおり、背景には、蛇口の素材である銅合金(真ちゅう)に含まれる銅の価格高騰があるとされる。ただ、市内の金属リサイクル業者によると、銅合金の買い取り価格は1キロ400円程度。「メッキが施された蛇口はそれを取り除く必要もあるので、買い取り価格はもっと低くなるのだが…」と、割に合わなそうな犯行に首をかしげる。