ベトナム人労働者雇い止め問題で和解 一連の対応を謝罪 中札内花畑牧場
【中札内】中札内村の花畑牧場(元札内、田中義剛社長)でストライキを理由に雇い止めになったとベトナム人労働者と加盟する労働組合が訴えている問題で、労働者を支援する札幌地域労組と同社は18日に和解した。同労組は、「一連の不適切な行為を全面的に認めた内容」と説明している。
同労組によると、和解協定書の締結は18日付。問題の発端となった水道光熱費の値上げについて、同社側が「一連の対応が不適切であった事を認め、ベトナム人労働者に謝罪する」としている。
労働者と同労組が「ストライキと位置付ける抗議の休業」を主導したとされる労働者4人(当初)に対する計200万円を求めた損害賠償請求と、音声データ公開に関して同社が労働者3人を名誉棄損と信用棄損容疑で刑事告訴した件は、「理由がないことを認め、取り下げる」とした。
その上で、同社側が3月15日までの雇用契約としていたベトナム人3人に対して、本来の契約期間である10月までの給料を解決金として支払うとした。札幌地域労組の三苫文靖書記長は「(抗議の休業が)正当なストライキか否かの法的要件は置いてだが、主張は認められた。謝罪もしていただき一定の評価をしている」としている。
同社は19日午前現在、十勝毎日新聞社の取材への回答はないが、協定書には「ベトナム人労働者に対する一連の不適切行為への謝罪文を一週間掲載する」、「外国人労働者に対する不適切な対応を真摯(しんし)に反省し、再発防止に努める」と記載している。
(松岡秀宜)