視点の「違い」に存在意義 WSJ日本版編集長 西山誠慈氏
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は米国最大の日刊経済紙だ。電子版のWSJオンラインは米国版の他、日本語や中国語のサイトがあり、十勝毎日新聞電子版購読者は追加料金なしで全て読むことができる。23日付の十勝毎日新聞には、WSJ(8ページ)が折り込まれる。西山誠慈日本版編集長に、十勝の読者にも知ってほしい今月号の記事のポイントや、同社が力点を置く「違い」への考え方などを聞いた。(聞き手・植木康則)
あす2月号折り込み 中国政府の動向、母親の孤独
-トップ記事は中国が自給自足にかじを切ったと伝える内容。掲載の狙いは。
紙面を作る際、ネットのサイト以上に一般の人に読んでほしいので、傾向として一般的に関心のあるものを選んでいる。
政府が提案予定の法案もあり、国内でも経済安全保障が注目されるようになってきた。半導体などのサプライチェーン(供給網)も含め、経済の循環が途絶えることを非常に危惧して経済安全保障が語られている。だが、日本にとって安全保障上のリスクとして食料安全保障があるとずっと思っていた。
低い自給率という問題に対し、日本は貿易立国として食料は取り決めで入る前提でやってきた、グローバル化の恩恵を最も受けてきた国の一つ。それがここにきて一気に危険性を突き付けられている。
反グローバル化の波が高まってきたのが、トランプ氏の誕生。あの時から地政学上のリスクにより、いろいろな物資が関税で届かなくなるかもしれない問題があった。それがコロナで強まり、物理的にサプライチェーンが壊れた。ちょうどこのタイミングで記事が出てきたので取り上げた。改めて提示する良いきっかけになった。
-経済記事だけでなくソフトな読み物も目立つ。
WSJというと、経済紙、硬いというイメージを抱かれる。だが経済・ビジネスに関わっている方に関心のあるものはすべて私たちの取材範囲だ。今月号ではミドルエージの母親の孤独さや、長期休暇の話題を掲載しているが、国が違っても通じるものがある。
一方で「違い」にも力点を置いている。社説と寄稿、オピニオン記事などは非常に異なる意見を掲載している。日本のメディアではなかなか気付かない、異なる視点の提供が、私たちの存在意義だと思う。
-十勝の読者にWSJの魅力を。
違うことは良いことだと、現場には口を酸っぱくしていっている。「違い」の一例を挙げると、テクノロジーの記事。今月号ではマイクロソフトのゲーム大手の買収。米国のIT大手の情報・ニュースは、私たちが経済の分野で一番力を入れているといっても過言ではない。日本のみならず世界的なメディアの中でも、私たちが他社にはない、競争力のある情報を皆さんに届けられる。そこの違いに皆さんがWSJらしさを感じて、読んでくれている。
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