コープ農業賞・北海道知事賞にあすなろファーミング
道内の優秀な農業生産者を表彰する「コープさっぽろ農業賞(2021年)」で、最高賞の北海道知事大賞に、乳製品加工・販売のあすなろファーミング(清水町清水第4線、村上悦啓社長)が選ばれた。健康的に育てた牛の生乳を使ってバター製造するなど、生産から加工までのこだわりが評価された。村上社長(36)は「これからも変わらず、いい生乳を生かした安心・安全の製品を提供したい」と話す。
あすなろファーミングは1991年設立。兄・博昭さん(45)が4代目牧場主の村上牧場(清水町第3線)から、すべての生乳供給を受け、「あすなろ牛乳」や、飲むヨーグルト、バター、チーズ、プリンなどを製造販売している。
村上牧場は、兄弟の父で3代目の勇治さん(72)の時代から、6次産業化を進める一方、無農薬・無化学肥料による牧草管理に努めてきた。沖縄の天然サンゴをミネラルとして活用した土壌管理などが評価され、2021年1月には、有機飼養JASも取得した。
さらに、混合飼料は国産にこだわり、遺伝子組み換え飼料も一切与えないことなどで、農業生産工程管理のJGAP(家畜・畜産物)取得し、家畜にとって快適な環境で飼育する「アニマルウェルフェア(動物福祉)」も尊重。牛にストレスを与えない飼養を心がけた「質の良い生乳」(悦啓さん)による牛乳や、バターの製造に力を入れる。
同賞はコープさっぽろ(本部札幌市)が、安全・安心な「食」を提供している生産者などの応援を目的に2004年から選定を続けており、今回で11回目。十勝からの最高賞受賞は14年(第9回)の大牧農場(音更町)以来。表彰式は11月26日に札幌市内で開かれ、兄弟や勇治さんらが出席。2人は「身が引き締まる思い。地域のみなさまにも感謝したい」(博昭さん)、「父の代からのこだわりを評価していただいた。今後も変わらずに、衛生管理などをしっかり進めたい」(悦啓さん)と喜ぶ。(松岡秀宜)
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