お寺に駄菓子屋オープン 地域の居場所づくりに
帯広市内の大昭寺(大正本町本通1ノ2、中野誠二住職)が、週1回(月曜日)の駄菓子屋「寺子屋てらこ」を同寺にオープンさせた。地域住民と協力して運営し、子どもと大人が気軽に集まれる地域の居場所を目指す。
畳敷きの本堂の一角に、昔懐かしい駄菓子が豊富に並ぶ。値段は10~30円が中心で、子どもが計算しやすいようにすべて10円単位だ。人気のスーパーボールくじも用意した。「お寺の役割は地域と人をつなぐこと。駄菓子をきっかけに、子どもたちがお寺に足を運ぶようになれば」と中野住職(51)は話す。
のれんは妻で坊守の真喜子さん(51)の手作り。縁日風屋台は大正郵便局の局長から寄贈を受け、昔ながらの駄菓子屋さんが出来上がった。店番は、住職夫妻と地域住民が入れ替わりで担当する。
きっかけは新型コロナウイルスだった。人との接触を減らすよう求められる中、「こんなときだからこそ、人とのつながりを確かめ合う場をつくりたい」(中野住職)と気軽に立ち寄れる駄菓子屋を思い付いた。
4月のプレオープンでは2日間で子どもと大人合わせて延べ約80人が来場。北海道への緊急事態宣言で5月下旬に予定していたオープンは延期となったが、今月21日には“店開き”にこぎ着け、小銭を握りしめた小学生らが続々と駄菓子を買いに訪れた。
当面の間は駄菓子を買って自宅に持ち帰ることにとどめるが、コロナ収束後は、駄菓子を食べながらゆっくりと時間を過ごせるフリースペースを設ける。夜に大人が集まれる場や、高齢者を招いた交流会も開く予定だ。
中野住職は「子どもや大人が互いに関わりが持てる、ぬくもりのある場所にしたい」と思い描く。開館は毎週月曜日の午後2時~同5時。問い合わせは大昭寺(0155・64・5163)へ。(高田晃太郎)