接種券忘れ、服装に注意を 市の一般高齢者ワクチン開始
1日に始まった、帯広市の新型コロナウイルスワクチンの一般高齢者向けの接種。市によると、初日は医療機関から重篤な副反応やワクチンの過不足などの報告はなかった。ただ、患者が接種券を忘れて来院したり、取り扱いを誤ったりするケースも。市や医療機関は、予約状況や持ち物、注射を打ちやすい服装などの確認を呼び掛けている。
初日はトラブルなし 「二重予約」に懸念も
かかりつけのクリニックで1日に接種を終えた市内のパート勤務の男性(78)は「気持ちとしては、ようやく打てたとほっとしている」と安心した表情。インフルエンザの予防接種とも比較しながら「痛くなく、はれてもいない。ただ、2回目は副反応が出やすいと聞いたので、仕事は休みを取った」と話した。
市によると、1日に接種した高齢者は施設入所者を含めて738人。施設入所者を除いた市内の高齢者は約4万8000人で、5月31日までに7割が接種予約を済ませている。
初日の接種について、医療機関から大きなトラブルは報告されていない。接種券を忘れて来院した人に対しては、ワクチン注射は行ったが、接種券を後日持参してもらう対応を取った。
高齢者の中には、来院前に接種券を予診票に貼り付けてしまう事例も。予診票には「クーポン貼付」と印刷されているが、これは問診で接種の可否を判断した後に医師が貼るもので、市は「接種会場には別々に持って行って」と求める。
服装によっては、接種に時間がかかるケースがあった。コロナワクチンは筋肉注射方式で、肩の近くに投与する。いちやなぎ内科消化器科(東4南6)は「接種位置は腕と思われがちだが、実際は肩。半袖でもまくれなければ、服を脱いでもらうこともある」と説明。肘の近くに打つインフルエンザワクチンとの違いに注意を呼び掛ける。
市が懸念するのが「二重予約」。急いで予約した後に第1希望の医療機関でも予約でき、重複したままキャンセルしないケースが考えられる。ワクチンのロスにもつながるだけに、市健康推進課は「体調不良などでキャンセルする場合は、早めに市のコールセンターや医療機関に連絡をしてほしい。接種当日は接種券などの持ち物を確認し、予約した場所で接種を」としている。(安田義教、岡田優人)