「姉妹の固い絆の証し」 音更の岡田さんがヘアドネーションで髪の毛寄付
【音更】姉妹の固い絆の証し-。この春、音更緑南中学校3年生になった岡田結菜(ゆいな)さん(14)は6日、3年間伸ばし続けた髪の毛の一部(長さ45センチ)を「ヘアドネーション」として寄付した。きっかけとなり、支えとなったのが妹の心菜(ここな)さん(11)の存在。低酸素脳症による後遺症で、誰かのサポートなしでは生きることが難しい心菜さんから力をもらい、大きな目標をやり遂げた。
ヘアドネーションは、病気や事故で髪の毛を失った子どもたちに医療用ウィッグ(かつら)を無償提供するため、自分の髪の毛を寄付する活動。岡田さんの髪の毛は帯広市内の美容室「VESS(ベス)」(西18南4)を通じて、無償提供のプロジェクト「つな髪」に届けられる。
VESSの長岡行子代表(50)とスタッフの磯崎優子さん(51)は「サラサラできれいな髪の毛。すごく喜ばれると思う」と太鼓判を押す。寄付された岡田さんの髪の毛は、数カ月後に医療用ウィッグになるという。
3年前にも15センチ
岡田さんは音更町宝来西町の会社員の父英樹さん(52)と母宜子さん(47)の長女。ヘアドネーションに挑戦するきっかけについて岡田さんは「妹の存在が大きかった」と話す。妹の心菜さんは重度の身体・知的障害がある医療的ケア児。出張理美容サービスを提供するVESSで心菜さんが髪の毛をカットしていることで、岡田さんはヘアドネーションを知り、3年前に初挑戦した。
初回は15センチほどの長さの寄付だったが、31センチ以上の長さの髪の毛が重宝されることが分かり、そこから再び伸ばし始めた。
夢は看護師
「かけがえのない存在の妹からヘアドネーションのきっかけをもらったので、諦めずにやりきれた」と岡田さん。11年間続けたピアノの発表会が終わったタイミングでのヘアドネーション。母の宜子さんは「寄付した髪の毛は姉妹の固い絆の証しのように思える」と目を細める。
岡田さんは中学校では卓球部に所属し、将来は看護師になるのが夢だという。「家族みんなで一緒にいられることのありがたみを妹が教えてくれた。これからも家族みんなで仲良く暮らしていきたい」と話している。(内形勝也)